巻頭言2002

医学科長併任2002年)

 

 全国的に大学や病院の改革、再編の動きが激しさを増してきている。我々神戸大学医学部および付属病院においても大きな変革があった。平成13年(2001年)4月より大学院講座化(従来の大学院重点化に相当し、今後は大学院教官が学部教官を併任する。今までは逆。)が文部科学省により認められ、大学院教育研究を中心とする研究大学としての基盤が出来た。旧7帝国大学医学部が大学院重点化された後、各国立大学医学部が一斉に大学院大学を目指して鎬を削る中、国立大学としての歴史は比較的浅い神戸大学医学部が、東京医科歯科大学医学部に次いで、金澤、新潟、千葉、岡山の各大学医学部とともに大学院講座化されたことは快挙と言っても過言でない。また、平成13年7月より付属病院の診療体制が内科、外科を中心に大きく変わり臓器機能別診療体制が始まった。この変化を受けて医学部内科学第三講座は大学院医学系研究科応用分子医学講座内分泌代謝・神経・血液腫瘍内科となり、病院第三内科は内分泌代謝内科、神経内科、血液腫瘍内科になった。私は大学院研究科教授で、かつ病院の上記3領域の科長を兼任している。

 2001年は我々同門にとって節目の年でもあった。1971年9月1日に井村裕夫教授が教室を開設されてから丁度30年目にあたり、同門の先輩達や教室員と相談の結果、200110月6日に第三内科開講三十周年記念講演会および祝賀会を開催した。日本全国から多数の同門の方々が集まり、井村裕夫初代教授、藤田拓男第二代教授の素晴らしいご講演に感動し、旧交を温めながら夜遅くまで昔話に花が咲いた。

 平成14年4月より期せずして医学科長を併任することになり、医学科全体のことを常に考えねばならない立場になった。学部教育ではキャップ制の導入、コア・カリキュラムに沿ったチュートリアル教育、Computer-Based Testing(CBT)Objective Structured Clinical Examination(OSCE)から成る共用試験、Bed Side Learning(BSL)、学外実習を兼ねたClinical Clerkship、卒後教育として平成16年から始まる卒後臨床研修必修化に向けての対応、さらに大学が独立行政法人になった後の組織、責任体制、業績評価基準作成、任期制導入、これらの規則作りなど難問が山積みである。次々と出てくる課題を処理していく中で、神戸大学にとって嬉しいニュースもあった。日本の大学の分野別トップ30を選ぶ遠山プランで始まった「21世紀COEプログラム」の研究教育拠点として、平成14年度生命科学分野の1つに神戸大学のバイオシグナルセンターと医学科の混成チームが選ばれた。平成15年度は医学分野での選考があるので、この分野でも選ばれたいと皆で知恵を出し合って準備中である。また、井村裕夫先生が先頭に立って押し進められている、ポートアイランドの神戸医療産業都市構想にも、神戸大学として出来るだけ協力、参画する方針が神戸大学の総意として決定されたことも大変嬉しいニュースである。

 関連病院の同門の先生方には人事のことが一番気になると思うが、診療科単位ではなく、大学病院単位で関連病院の関係を考える新しい仕組みを出来るだけ早く作るべきであると考えている。しかし、一方、今までのように人事に関して大学病院に完全に依存する方式は通用しなくなる時代が目の前に迫っている。それぞれの病院がその病院の特徴や優れたところを公表して、独自で医師を確保する時代が早晩訪れるような気がする。大学病院は大学病院で生き残りをかけて必死で努力をしている。同門の先生方もそれぞれの病院、そして置かれた立場で頑張っていただきたいと思う。お互いに情報を交換しながら前向きに取り組みましょう。

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