巻頭言2007

一つの内科学講座(2007)

 

 平成19年4月から本医学系研究科が改組され内科と外科はそれぞれ一つの講座となった。内科学講座は、11教育研究分野から成り、それぞれが対応する診療科を病院に持つ。11教育研究分野のうち7分野の教育研究責任者すなわち分野長は教授、残りの4分野については、戦略的に運用する准教授に分野長として教育・研究の責任をお願いしている。「戦略的に運用する准教授」とは開きなれない身分であると思う。おそらく神戸大学医学系研究科でのみ使っている名称であろう。通常の准教授との違いは、分野長として教育・研究の責任を持ち大学院生や研究生の研究指導、学位論文の作成指導、学位論文審査などの責任と権限を持つ、また学部学生の教育におけるカリキュラム作成、試験、単位認定の責務も持つ、従って医科学専攻会議と医学科会議(教授会)に出席して教育、研究の審議に加わって頂いている。教授との職務における違いは、唯一つ、教授会で人事案件の審議には加わらないことである。一方、病院組織では、分野長は、全員がその分野に対応する診療科の診療科長を兼任している。やっと教育、研究、診療における責任、指導体制の一貫性が出来上がり、ナンバー内科時代に見られた教授が自分の専門でない分野の責任者も兼ねるような捩れ体制が解消された。

 平成19年4月から11分野長で構成される内科学講座運営委員会がチェアマン横野教授の下に月1回の頻度で開催され、人材育成のための卒前・卒後教育のことから教員人事に至るまで色々な案件について審議され方針が決定されている。内科学講座への学生勧誘も、内科全体として行い、かつ内科ウイークとして各分野が連続して個別相談に乗る日程を組むなど、新しい取り組みが始まった。また、夏には、旧1内、2内、3内等の関連病院の代表者に集まっていただき、今年度内科に所属することが決定した新教室員を紹介する内科合同新入生歓迎会が開催され、秋には、大学と関連病院との合同で症例検討を行う第一回神戸内科セミナーも開かれた。関連施設との人事交流も、従来の旧講座単位から、現在は内科の各分野から1名ずつが参画する内科人材活用委員会(内科チェアマンが委員長)が窓口となり関連病院の要望を受け、その委員会での審議を経て大学として対応する形に変わった。

 このように、一つの内科学講座となって半年余り少しずつ新しい体制に移行してきているが、11月終わりに内科所属の教員にアンケートを取り、現状に関して問い掛けたところ、改革について十分達成されたと返事した教員は一人もおらず、ほぼ全員が不十分と回答してきた。昨年の巻頭言で記載した内科再編における4つの基本コンセプトのうち、動きがもっとも遅いのは、当然かもしれないが、人員とスペースの問題解決である。人員とスペースの適正再配置を含めて内科学講座の将来構想に関しては、アンケート結果や答申、提言を拝見させて頂いた結果、内科学講座の中だけで話し合っても大局的な見地での方向は出てこないように感じた。そこで、次世代を担う若手の内科教授を中心に外科系および基礎の教授も入った内科学講座将来構想検討WGを立ち上げ、早急に検討し答申を出して頂くようお願いしている。どのような答申が出てくるか、期待と不安が入り混じった心境だが、次世代の若手教授を信じて彼らに託するしかないと考えている。大学法人化以降、色々なことが流動化し激流のなか暗中模索で魅力ある大学作りに取り組んで来た。結果は10年以上経たないと評価できないと思うが、良い結果に結びついて欲しいと願うばかりである。

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